マルチビタミン × レボドパ製剤 注意(ヒトデータあり)
要約
鉄を含む製品では、レボドパ(パーキンソン病の薬)の吸収が下がるおそれがあります。鉄剤(硫酸鉄325mg)と一緒に飲んだヒトの試験では、レボドパの血中濃度のピークが55%、体に入った総量の目安(AUC)が51%下がりました。これは、動きにくさなどの症状が出やすくなるおそれがある変化です。またビタミンB6にはレボドパの作用を弱める方向の知見がありますが、現在の日本のレボドパ製剤はほとんどが配合剤(カルビドパ等との合剤)で、その影響は小さいとされます。製品によって含まれる成分と量が大きく異なり、鉄もB6も含まない製品にはこの話は当てはまりません。同時に飲まず、時間をあけてください。時間をずらすことで対処できる飲み合わせです。
ヒトでのエビデンス
ヒトでの薬物動態試験あり(鉄との同時服用)
根拠
Campbell NR, Hasinoff B. Ferrous sulfate reduces levodopa bioavailability: chelation as a possible mechanism. Clin Pharmacol Ther. 1989;45(3):220-225. PMID: 2920496(健康成人8人のクロスオーバー試験。レボドパ250mgと硫酸鉄325mgの同時服用で、最高血中濃度が55%、AUCが51%低下。キレート形成が機序と考察)。患者対象の続報でも同様の低下が報告されている。ビタミンB6(ピリドキシン)によるレボドパ作用の減弱は、脱炭酸酵素阻害薬を含まない単剤時代の知見が中心で、配合剤では影響が小さいとされる。あける間隔の公式数値はないため「約2時間」は公式の決まりではない目安である。
- 最終確認日
- 2026-11-01
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
試験条件: 健康成人8人、レボドパ250mg単回と硫酸鉄325mgの同時服用(クロスオーバー)。鉄剤としての量での試験であり、マルチビタミン中の鉄量(通常これより少ない)での直接データはない
ふだんの量では
製品によって含まれる成分と量が大きく異なる。マルチビタミンの鉄は鉄剤より少ない量の製品が多いが、ゼロではないため同時服用は避けるのが実務上の結論。公式の決まりはありませんが、安全のため約2時間あけるのが目安です