マルチビタミン × レボチロキシン(商品名: チラーヂンS) 注意(ヒトデータあり)
要約
鉄やカルシウムを含む製品では、レボチロキシン(甲状腺ホルモンの薬)の吸収が下がるおそれがあります。カルシウム製剤(元素カルシウムとして1日1,200mg)をレボチロキシンと同時に飲んだヒトの研究では、甲状腺の働きを示すTSHの値が1.6から2.7に上がり、甲状腺ホルモンが足りなくなる方向に動きました。製品によって含まれる成分と量が大きく異なり、鉄もカルシウムも含まない製品にはこの話は当てはまりません。レボチロキシンとは時間をあけて飲んでください。時間をずらすことで対処できる飲み合わせです。
ヒトでのエビデンス
ヒトでの前向き研究あり(カルシウム)。鉄でもヒト報告あり
根拠
Singh N, Singh PN, Hershman JM. Effect of calcium carbonate on the absorption of levothyroxine. JAMA. 2000;283(21):2822-2825. PMID: 10838651(レボチロキシン服用中の20人、炭酸カルシウム1,200mg/日を同時に3か月服用し、遊離T4低下・TSH上昇、中止で回復)。鉄剤でも同様の吸収低下が症例・試験で報告され、レボチロキシンの添付文書(米国)では鉄・カルシウム含有製剤とは4時間以上あけるよう指示されている。日本のチラーヂンSの添付文書でも、鉄剤・カルシウム含有製剤等との併用注意が挙げられている。
- 最終確認日
- 2026-11-01
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
研究の条件: レボチロキシンで安定した20人、元素カルシウム1,200mg/日をレボチロキシンと同時に、3か月間。TSHは平均1.6→2.7 mIU/L
ふだんの量では
製品によって含まれる成分と量が大きく異なる。市販マルチビタミンのカルシウムは元素量で100〜200mg程度の製品が多く試験量より少ないが、鉄も同時に含む製品が多く、合わせた影響は否定できない。同時に飲まないことが実務上の結論