NR(ニコチンアミドリボシド) × 抗がん薬 一般的注意
要約
【海外限定】日本ではサプリメントとして販売されておらず、個人輸入の海外製品で使われる成分です。NRは体内のNAD(エネルギー作りに関わる物質)を増やします。がん細胞も増えるためにNADを多く必要とするため、「NADを増やすことが、がんの勢いを手助けしないか」という理論上の心配があります。動物実験では、NRを与えたマウスで特定の乳がんが増え、脳への転移(広がり)が増えたという報告がある一方、別の動物実験では逆の結果もあり、方向は定まっていません。ヒトでがんの経過や抗がん薬の効き目への影響を調べた研究はありません。がんの治療中、または治療歴がある人は、自己判断で使わず、必ず主治医に相談してください。
ヒトでのエビデンス
ヒトでの相互作用エビデンスなし(動物データと理論的論点のみ)
根拠
Maric T et al. A bioluminescent-based probe for in vivo non-invasive monitoring of nicotinamide riboside uptake reveals a link between metastasis and NAD+ metabolism. Biosens Bioelectron. 2023;220:114826. PMID: 36371959。トリプルネガティブ乳がんの動物モデルで、NR補給によりがんの発生割合と脳転移が増えたと報告された。ただしこれは動物データであり、ヒトでの発がん・転移・抗がん薬の効果への影響を示すデータはない。逆方向の動物報告もあり、結論は定まっていない。本レコードは動物データと理論からの類推であり、その旨を明記する。なおNR自体のヒト用量データとしては、Conze D et al. Sci Rep. 2019;9:9772. PMID: 31278280(健康な過体重成人140人、100・300・1000mg/日・8週間で血中NAD+が用量に応じて22%・51%・142%上昇、有害事象はプラセボと差なし)があるが、これは相互作用のデータではない。
- 最終確認日
- 2026-11-01
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認