デュロキセチン × たばこ(喫煙) 注意(ヒトデータあり)
要約
喫煙している人では、この薬の血中濃度が大きく低かったという患者データが複数あります。たばこの煙に含まれる成分が、薬を分解する酵素(CYP1A2)を増やすためと考えられています。ある調査では喫煙者は非喫煙者より濃度が約4割低く、用量で調整した濃度は約半分でした。だからといって自己判断で量を増やしてはいけません。禁煙を始めたときも濃度が上がる可能性があるので、喫煙・禁煙の状況は処方医に伝えてください。なお日本の添付文書には、喫煙の影響を数値で示した項目は確認できませんでした(論文データが根拠の中心です)。
ヒトでのエビデンス
あり(観察研究/治療薬物モニタリングデータ)
根拠
患者データ:Fric M, et al. Pharmacopsychiatry. 2008;41:151-155. PMID:18651344(うつ病入院患者28例、喫煙者8例の平均血清濃度24.3ng/mL vs 全体52.0ng/mL、CYP1A2誘導が機序と考察)。Augustin M, et al. J Clin Psychopharmacol. 2018. PMID:30192450(治療薬物モニタリング89例 vs 喫煙者36例:喫煙者で中央値濃度が38.4%低く、用量調整濃度は53.6%低かった)。系統的レビュー:Oliveira P, et al. Ann Gen Psychiatry. 2017;16:17(デュロキセチンは喫煙者で濃度が有意に低い薬の一つと集約。PMIDは本調査で未確認)。PMDA添付文書(サインバルタカプセル20mg/30mg、塩野義製薬/日本イーライリリー、2026年5月改訂 第5版) 10.総論に代謝へのCYP1A2の関与の記載はあるが、喫煙の影響の数値記載は本調査で確認できず
- 最終確認日
- 2026-10-30