シナモン × アセトアミノフェン(商品名: カロナール) 一般的注意
要約
アセトアミノフェンは、量が増えると肝臓に負担がかかることが知られた薬です。一方、カシア系シナモンのクマリンにも肝臓への負担があり、1日の耐容上限は体重60kgの人で6mg、カシア約2g/日で達する計算です。そのため、アセトアミノフェンを続けて使う時期に、カシア系シナモンのサプリを毎日まとまった量取ることは、肝臓への負担が重なるおそれがあります。ただし、この組み合わせで実際に肝臓が悪くなったというヒトの報告はなく、あくまで負担の重なりからの注意です。通常の使い方のアセトアミノフェンと、料理のスパイス量のシナモンの組み合わせで問題が起きた報告もありません。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。
ヒトでのエビデンス
なし(ヒトでの併用データなし。根拠は双方の肝臓への負担の重なりという類推のみ)
根拠
PubMed検索(2026-11-01)で、シナモン×アセトアミノフェンのヒトでの肝障害・相互作用報告は検出されず。クマリンの肝毒性と耐容上限: EFSA. EFSA Journal 2008;6(10):793(TDI 0.1mg/kg体重/日)。Abraham K et al. Mol Nutr Food Res 2010;54:228-239, PMID:20024932(感受性の高い一部の人ではクマリンで肝障害が起きうる)。含有量の実測: Wang YH et al. J Agric Food Chem 2013;61:4470-4476, PMID:23627682。なお動物実験では逆方向の報告もあり、ラットではシナモン油がアセトアミノフェンによる肝障害を弱めたとされる: Hussain S et al. Toxicol Rep 2020;7:1296-1304, PMID:33024703。動物データはヒトの併用の結論には使えないため、バッジは類推レベルの「一般的注意」にとどめた。含有量の実測: Wang YH et al. J Agric Food Chem 2013;61:4470-4476, PMID:23627682(認証サンプルでカシア3種0.310〜6.97g/kg、セイロン種0.017g/kg。米国市販のインドネシアカシア3.99〜9.30g/kg)。用量記載のある肝炎症例: Abraham K et al. Mol Nutr Food Res 2010;54:228-239, PMID:20024932(シナモン1〜2g/日・クマリン約3.3〜6.6mg/日・2か月で肝炎。スタチン・アセトアミノフェンとの併用例ではないため、併用の用量根拠としては使わず、クマリン側の用量感の参考としてのみ記載)。
- 最終確認日
- 2026-11-01
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
ヒトの併用データはありません。用量の観点では、カシア系シナモンのクマリン含有量は実測で0.31〜6.97g/kg(認証サンプル)と幅が広く、米国市販品では3.99〜9.30g/kgの例もあり、「シナモン○g」という量だけではクマリン量は決まりません。動物実験(ラット)に限れば、シナモン油にアセトアミノフェンの肝障害を弱める方向の報告もあり、動物データからは負担が重なるとも守るとも決められません。
ふだんの量では
想定されるのは、カシア系サプリを毎日グラム単位で取りながら、アセトアミノフェンも続けて使う場面です。量の目安として、BfRの平均含有量(1gあたり約3mg)ではカシア約2g/日でクマリンの耐容上限(体重60kgの人で6mg/日)に達する計算ですが、実測値の幅が広いため製品によってはそれ以下でも達しえます。用量が分かっている肝炎症例では、シナモン1日1〜2gを2か月続けた例(クマリン換算約3.3〜6.6mg/日)があります。料理のスパイス量のシナモンとの組み合わせで問題が起きた報告はありません。