このサイトは、薬の飲み合わせについて、添付文書や論文をもとに確かめた情報をお伝えするものです。あなたの体の状態や、ほかに飲んでいる薬のことまでは分かりません。自己判断で薬を中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談してください。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。

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シナモン × ダビガトラン(商品名: プラザキサ)等の抗凝固薬 一般的注意

要約

ダビガトラン(血液を固まりにくくする薬)を飲んでいた80歳の男性が、ショウガとシナモンを一緒に煮出した飲み物を飲み始めて3日後に胃腸から出血し、亡くなったという症例報告が1件あります。ただしショウガも一緒だったこと、量やシナモンの種類が分からないことから、シナモンだけが原因とは決められません。そのため、抗凝固薬を飲んでいる方がシナモンのサプリや濃い煮出しを自己判断で始めるのは避け、まずは処方医・薬剤師に相談してください。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。

ヒトでのエビデンス

あり(症例報告1件。ただしショウガとの併用で、シナモン単独の寄与は不明)

根拠

Maadarani O et al. Adding Herbal Products to Direct-Acting Oral Anticoagulants Can Be Fatal. Eur J Case Rep Intern Med 2019;6:001190, PMID:31508385(ダビガトラン服用中の80歳男性、ショウガ+シナモンの煮出し開始3日後に致死的な消化管出血)。注意点として明記する: 著者らはクマリンを出血の理由に挙げているが、クマリン自体にはビタミンKを邪魔する働きはなく、ダビガトランもビタミンKとは別の仕組みの薬であり、著者らの説明どおりの仕組みとは言えない。総説 Hatfield J et al. Proc (Bayl Univ Med Cent) 2022;35:802-807, PMID:36304597 でもシナモン関連の出血症例はこの1件のみ。用量不明の明記: Maadarani O et al. Eur J Case Rep Intern Med 2019;6:001190, PMID:31508385 の原著にシナモン・ショウガ双方の用量記載はない。抗血小板方向の一次情報は in vitro のみ: シンナムアルデヒドがヒト血小板(試験管内)の凝集とトロンボキサンB2生成を用量依存的に抑えた報告(J Pharmacobiodyn 1987)および Cinnamomum cassia 由来成分の in vitro 抗血小板活性の報告(Kim SY et al. J Med Food 2010;13:1069-1074)があるが、経口摂取後のヒト血小板機能を調べた試験は検出されず、根拠の薄い抗血小板薬の記録は新規に作らない判断とした。

最終確認日
2026-11-01

研究の条件

症例はショウガとシナモンを一緒に煮出した飲み物で、シナモンの量・種類は論文に記載がありません(用量は不明で、推測で埋めることはできません)。煮出しという形態についても、粉末やカプセルと比べて成分の移行量がどう違うかを調べた論文レベルのデータは確認できなかったため、形態による違いは書けません。料理に使うシナモンでの報告ではありません。

ふだんの量では

想定される場面は、抗凝固薬の服用中にサプリメントや濃い煮出しを毎日取ることです。料理のスパイスとしての少量で出血が起きたという報告はありません。なお、シナモンの成分シンナムアルデヒドには、試験管内でヒト血小板の凝集を抑えた報告がありますが、口から取った場合に血小板へ影響したというヒトのデータはなく、この記録の用量の根拠にはしていません。

この記録は一般的な情報です。自己判断で薬を中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談してください。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多くあります。

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