インスリン デグルデク × β-遮断剤 注意(添付文書)
要約
β-遮断剤(心臓や血圧の薬)は、インスリン デグルデクの血糖を下げる作用を強めることがあるうえ、低血糖(血糖値が下がりすぎた状態で、手の震え・冷や汗・強い空腹感などが出ます)のときに通常出るはずの動悸(心臓がドキドキすること)や手の震えなどの警告症状を分かりにくくします(これを症状が隠れる=マスクされる、といいます)。汗や空腹感など、隠れにくい症状にも注意し、血糖測定で確認する習慣をつけてください。本剤は作用が持続的で、低血糖の回復が遅延するおそれがあり、回復後も再発することがあるため、ブドウ糖を十分な量で常備し、回復後もしばらく様子を見てください(添付文書11.1.1)。1回分の目安はブドウ糖10g、またはブドウ糖を含む飲み物150〜200mLほどです(日本糖尿病学会の目安。砂糖で代用する場合は倍の20gですが、効き始めはブドウ糖より遅れます)。ブドウ糖10gで血糖値はおよそ30〜50mg/dL上がるというデータがあります(体格や状況によって変わります)。約15分たっても低血糖が続くようなら同じ量をもう一度摂るため、その分も含めて用意しておいてください。
ヒトでのエビデンス
なし(添付文書の注意喚起に基づく)
根拠
トレシーバ注フレックスタッチ(ノボ ノルディスク ファーマ、2023年11月改訂・第4版) 10.2併用注意。§10.2の各行を現行添付文書で個別に確認した。グラルギン(サノフィ様式)とは両方向の薬剤の範囲などが異なる。※ブドウ糖10g・150〜200mL・約15分という数値は、日本糖尿病学会『糖尿病治療ガイド』(低血糖およびシックデイの章)に基づく目安で、添付文書本文の数値ではありません。血糖値の上がり幅は、Wiethop & Cryer(1993年)の実験(1型糖尿病でブドウ糖10gを口から摂ったところ、約30分で血糖値が約37mg/dL上がった)や、臨床で広く使われる目安(ブドウ糖1gで約5mg/dL)をもとに、およそ30〜50mg/dLとしています。
- 最終確認日
- 2026-10-31
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認