インスリン イコデク × β-遮断剤 注意(添付文書)
要約
β-遮断剤(心臓や血圧の薬)は、インスリン イコデクの血糖を下げる作用を強めることがあるうえ、低血糖(血糖値が下がりすぎた状態で、手の震え・冷や汗・強い空腹感などが出ます)のときに通常出るはずの動悸(心臓がドキドキすること)や手の震えなどの警告症状を分かりにくくします(これを症状が隠れる=マスクされる、といいます)。汗や空腹感など、隠れにくい症状にも注意し、血糖測定で確認する習慣をつけてください。本剤は週1回投与で作用が1週間続くため、低血糖が起きた場合は回復後も再発・遷延(長引くこと)がありえます。ブドウ糖(低血糖時に飲む糖分)を、1回分ではなく繰り返し使える量で常備してください。1回分の目安はブドウ糖10g、またはブドウ糖を含む飲み物150〜200mLほどです(日本糖尿病学会の目安。砂糖で代用する場合は倍の20gですが、効き始めはブドウ糖より遅れます)。ブドウ糖10gで血糖値はおよそ30〜50mg/dL上がるというデータがあります(体格や状況によって変わります)。約15分たっても低血糖が続くようなら同じ量をもう一度摂るため、その分も含めて用意しておいてください。
ヒトでのエビデンス
なし(添付文書の注意喚起に基づく)
根拠
アウィクリ注フレックスタッチ総量300単位/総量700単位添付文書(ノボ ノルディスク ファーマ、2026年4月改訂・第5版、PMDA掲載PDFで原典確認)§10.2併用注意にβ-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロール)が名指しされ、血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること、アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制し、また低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性があることが記載されている。※ブドウ糖10g・150〜200mL・約15分という数値は、日本糖尿病学会『糖尿病治療ガイド』(低血糖およびシックデイの章)に基づく目安で、添付文書本文の数値ではありません。血糖値の上がり幅は、Wiethop & Cryer(1993年)の実験(1型糖尿病でブドウ糖10gを口から摂ったところ、約30分で血糖値が約37mg/dL上がった)や、臨床で広く使われる目安(ブドウ糖1gで約5mg/dL)をもとに、およそ30〜50mg/dLとしています。
- 最終確認日
- 2026-11-01
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認