インスリン イコデク × シックデイ 注意(添付文書)
要約
体調を崩して食事がとれない日(シックデイ)は、血糖値が乱れやすくなります。本剤は週1回投与のため、その週の分はすでに体に入っており、「今日は打たない・減らす」という当日調整ができません。そのうえ、低血糖は投与後2〜4日に最も起こりやすく、いったん回復しても再発したり長引いたりすることがあります。シックデイのときは、いつもより血糖測定の回数を増やし、食べられなくても糖分と水分を切らさないようにしてください。ブドウ糖は1回分ではなく、繰り返し使える量を常備し、家族にも低血糖の対処法を知っておいてもらうことが大切です。1回分の目安はブドウ糖10g、またはブドウ糖を含む飲み物150〜200mLほどで(日本糖尿病学会の目安。砂糖で代用する場合は倍の20gですが、効き始めはブドウ糖より遅れます)、約15分たっても続くようなら同じ量を繰り返し摂ります。ブドウ糖10gで血糖値はおよそ30〜50mg/dL上がるというデータがあります(体格や状況によって変わります)。重い低血糖では、ブドウ糖を持続的に点滴する治療や入院が必要になることもあります。食事がとれない・血糖が安定しない場合は、早めに医療機関へ連絡してください。なお、調整は追加のインスリンや飲み薬の側と、次回の週1回投与量で行います。自己判断で次回分を抜いたり増やしたりしないでください。
ヒトでのエビデンス
なし(添付文書と学会の使用推奨事項に基づく)
根拠
アウィクリ注フレックスタッチ(ノボ ノルディスク ファーマ)の添付文書(週1回投与・半減期約1週間)および、日本糖尿病学会・日本老年医学会合同委員会「高齢者における週1回持効型溶解インスリン製剤使用についてのRecommendation」(2025年4月18日策定、2026年3月31日改訂。投与後2〜4日目に血糖が最も下がりやすいこと、低血糖は回復後も再発しうること、重症例ではブドウ糖持続静注・入院を考慮すること、家族・介護者への教育とシックデイ時の頻回測定を推奨)に基づく。※ブドウ糖10g・150〜200mL・約15分という数値は、日本糖尿病学会『糖尿病治療ガイド』(低血糖およびシックデイの章)に基づく目安で、添付文書本文の数値ではありません。血糖値の上がり幅は、Wiethop & Cryer(1993年)の実験(1型糖尿病でブドウ糖10gを口から摂ったところ、約30分で血糖値が約37mg/dL上がった)や、臨床で広く使われる目安(ブドウ糖1gで約5mg/dL)をもとに、およそ30〜50mg/dLとしています。
- 最終確認日
- 2026-11-01