エボロクマブ × スタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤) 大きな影響なし(ヒトデータあり)
要約
スタチンはレパーサの治療の土台になる薬で、添付文書でも、スタチンが使えない場合を除いてスタチンと一緒に使うことになっています。スタチンを使うと標的のPCSK9(LDLコレステロールを片づける受け皿を減らす物質)が増えるため、レパーサの血中濃度はCmax(最高濃度)とAUC(濃度の合計量)が約20%低くなります。濃度は下がりますが、LDLコレステロールを下げる働きは単独使用のときと比べても保たれ、用量の調整は要らないとまとめられています。そのため、レパーサを始めたからといってスタチンを自己判断でやめないでください。これが実務の結論です。
ヒトでのエビデンス
あり(スタチン併用下での臨床試験群の薬物動態・薬力学の統合レビュー。併用でエボロクマブ曝露が約20%低下する一方、LDL低下作用に臨床的に意味のある差はなし)
根拠
レパーサ皮下注140mgペン(製造販売:アムジェン株式会社、発売:アステラス製薬株式会社)2025年6月改訂・第3版をPMDA電子添文で原典確認した。同添文には§10(相互作用)および§16.7(相互作用試験)の項自体がない。 用法・用量では「HMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない場合を除き、HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用すること」とされ、§17の国内試験もアトルバスタチン併用下で実施されている。ヒトデータ: Kasichayanula S, et al. Clin Pharmacokinet. 2018;57:769-779. PMID: 29353350(総説。スタチン併用で非結合型エボロクマブのCmax・AUCが約20%低下するが、これはスタチンがPCSK9を増やすためで、LDLコレステロール低下作用に臨床的に意味のある差はなく、用量調整は不要と結論)。位置づけの明記: スタチン併用は相互作用としての害ではなく、本剤の標準的な併用療法である。
- 最終確認日
- 2026-10-31
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認