テリパラチド × ジゴキシン(商品名: ジゴシン等) 注意(添付文書)
要約
フォルテオは注射の数時間後に血液中のカルシウムが一時的に上がります。カルシウムが高い状態では、心臓の薬ジゴキシンの効きが強まり、不整脈(脈の乱れ)などのジゴキシン中毒が出やすくなるおそれがあるため、添付文書で併用に注意することとされています。一方で、健康な人15名にジゴキシンを毎日飲んで安定した状態でフォルテオを1回注射した試験では、ジゴキシンの心臓への効き目の指標は変わりませんでした。試験で大きな変化がなかったことと、添付文書の注意は両方とも事実なので、併記します。結論として、併用が禁止されるわけではありませんが、吐き気、食欲低下、見え方の異常、脈の異常などがあれば早めに受診してください。
ヒトでのエビデンス
あり(健康成人15名での薬力学的相互作用試験で、フォルテオ単回投与はジゴキシンの心作用の指標を変えなかった。一方、高カルシウム血症がジギタリス中毒を招きうるという症例報告が海外添付文書に言及されている)
根拠
フォルテオ皮下注キット600μg(日本イーライリリー株式会社)の現行電子添文をPMDAで2026-10-31に確認した。なお本品目は自己注射のフォルテオを軸とし、病院で週1回静脈注射するテリボンは対象に含めない。 日本の添付文書§10.2併用注意にジギタリス製剤(ジゴキシン等)が名指しされ、本剤による高カルシウム血症時にジギタリス製剤の作用が増強されるおそれが記載されている。ヒト試験: Benson CT, Voelker JR. Clin Pharmacol Ther. 2003;73:87-94(健康成人15名、ジゴキシンを定常状態まで投与後にテリパラチドを単回投与し、カルシウムを介したジゴキシンの心作用に影響なし)。海外添付文書(Forteo、米国)§7.1にも、散発的な症例報告が高カルシウム血症とジギタリス中毒の関連を示唆する旨とあわせて同試験が引用されている。添付文書の注意を残し、試験結果を併記する形とした。
- 最終確認日
- 2026-11-01
研究の条件
ヒト試験は健康成人15名、ジゴキシンを定常状態まで毎日投与した条件で、フォルテオは単回投与のみ。毎日の反復投与や、もともとカルシウムが高い人での試験ではない。