トシリズマブ × 治療域の狭いCYP基質薬 一般的注意
要約
ワルファリン(血液を固まりにくくする薬)、テオフィリン(ぜんそくの薬)、シクロスポリン(免疫を抑える薬)のように、効く量と多すぎる量の幅が狭い薬は、トシリズマブの開始・中止で効き目が変わる可能性があります。これは、シンバスタチンやオメプラゾールで実際に濃度が下がったデータと、炎症で抑えられていた分解酵素が回復するという仕組みからの類推(一般的な注意)で、これらの薬自体で測ったデータではありません。海外の添付文書では、開始・中止の際に効き目や血中濃度を確認するよう勧めています。自己判断で量を変えず、処方医・薬剤師に相談してください。
ヒトでのエビデンス
なし(この対象自体の直接データなし。シンバスタチン・オメプラゾールのヒトデータからの類推)
根拠
アクテムラ皮下注162mg添付文書(中外製薬、2026年9月改訂・第5版、PMDA電子添文で原典確認) §15.2.3に「過剰のIL-6によって抑制されていたCYPsの発現が本剤投与により回復し、炎症反応の改善に伴って併用薬の効果が減弱する可能性は否定できない」と記載。米国添付文書§7.2は治療域の狭いCYP基質薬で開始・中止時に効果(ワルファリン)や濃度(シクロスポリン、テオフィリン)のモニタリングと用量調整、経口避妊薬等CYP3A4基質への注意を記載するが、日本の§10.2には名指しがない。類推であることを明記し一般的注意とした(サリルマブでは§10.2名指しがある点と扱いが異なる。)。
- 最終確認日
- 2026-11-01