グリシン × クロザピン(商品名: クロザリル) 注意(ヒトデータあり)
要約
クロザピン(治療抵抗性の統合失調症(考えや感情のまとまりが難しくなる病気)に使う薬)を使っている人は、グリシンのサプリを自己判断で始めないでください。統合失調症の補助療法(主役の薬に上乗せする治療)の研究で、クロザピンにグリシンを上乗せしても症状の改善は得られず、逆にクロザピンの効き目を邪魔する可能性が示された試験があります。ただし、研究で使われたのは1日30〜60gという非常に多い量で、睡眠サプリの1日3gとは条件が大きく違います。用量が違えば影響も違う可能性はありますが、確かめられていないため、クロザピン使用中は量によらず主治医に相談してからにしてください。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。
ヒトでのエビデンス
あり(ランダム化二重盲検試験2件。高用量での結果)
根拠
Potkin SG et al. Am J Psychiatry. 1999;156(1):145-147. PMID: 9892314(治療抵抗性統合失調症19人、クロザピンにグリシン30g/日を12週間上乗せする二重盲検試験。グリシン群で改善が得られず、グリシンなし群では陽性症状が35%減ったことから、グリシンがクロザピンの効果を妨げる可能性を著者が指摘)。Evins AE et al. Am J Psychiatry. 2000;157(5):826-828. PMID: 10784481(30人、グリシン60g/日・8週間。有意な改善なし、臨床的に明らかな悪化もなし)。2試験の結果には幅があり、「60g級で上乗せ効果なし」が共通する結論。用量の開きを明記したうえで注意(ヒトデータあり)とした。
- 最終確認日
- 2026-11-01
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
研究の用量はグリシン1日30g(Potkin 1999)と60g(Evins 2000)で、統合失調症の補助療法としての条件。
ふだんの量では
睡眠目的のサプリは1日3g前後が一般的で、研究用量の10〜20分の1。この量でクロザピンへの影響がどうなるかは確かめられていない(「少量だから安全」とも言えない)。