ラクトフェリン × 鉄剤 大きな影響なし(ヒトデータあり)
要約
ラクトフェリンは鉄と結びつくタンパク質ですが、『鉄の吸収を邪魔する』というデータはありません。逆に、ラクトフェリンに結びついた鉄は、普通の鉄剤(硫酸鉄)と比べても同じくらい体に取り込まれることが、ヒトの試験で示されています(吸収率に有意な差なし)。また妊娠中の鉄不足の貧血では、ラクトフェリン自体が鉄剤の代わりに使われて血液の値が改善したという試験もあります。鉄剤と一緒に使うことが問題になるというデータは今のところありませんが、鉄剤は治療のための薬なので、置き換えや追加は自己判断せず相談してください。
ヒトでのエビデンス
ヒトデータあり(鉄吸収の比較試験で差なし。貧血での対照試験あり)。鉄剤と同時服用した吸収試験ではない点は明記する。
根拠
Lönnerdal B, Bryant A. Am J Clin Nutr 2006(若い女性20名、同位体で目印を付けた鉄で比較。再組換えヒトラクトフェリンからの鉄吸収20.4% vs 硫酸鉄18.8%、有意差なし。PMID: 16469988として二次資料に引用)。Paesano R et al. Biochimie 2009ほか(妊娠中の鉄欠乏性貧血でウシラクトフェリン100mg×2回/日がヘモグロビン等を改善したとする対照試験群。鉄剤との直接の吸収阻害データではない)。
- 最終確認日
- 2026-11-01
研究の条件
研究の条件: ラクトフェリンに結合した鉄そのものの吸収を、硫酸鉄と比較した試験。鉄剤とラクトフェリンを同時に飲んだ場合の試験ではない。
ふだんの量では
ふだんの量では: 牛乳にもラクトフェリンは含まれるが少量で、サプリメント(1日100〜300mg程度)とは量が違う。いずれの量でも鉄吸収を妨げたというデータはない。