ケルセチン × タリノロール(日本では販売されていないβ遮断薬) 注意(ヒトデータあり)
要約
タリノロールは日本では売られていない血圧の薬ですが、腸の運び屋(トランスポーター: 薬を吸収したり外へ出したりするタンパク質)の働きを調べる目印の薬として研究に使われます。ケルセチンを摂ると、タリノロールの血液中の濃度はフェキソフェナジンとは逆に下がりました(総量の目安AUCが約2割低下)。腸で薬を取り込む運び屋(OATP)の働きが弱まったためと考えられています。つまりケルセチンは、薬によって『濃度を上げる』場合と『下げる』場合の両方があり、相手の薬ごとに違うことに注意が必要です。タリノロール自体は日本で使われないため、この結果は『運び屋を使う薬では吸収が変わりうる』という目安として読んでください。
ヒトでのエビデンス
ヒトデータあり(健康成人での薬物動態試験2件)。日本未発売薬での結果。
根拠
Wang Z et al. Eur J Clin Nutr 2013;67:390-394(中国人健康成人18名、ケルセチン500mg/日×13日後にタリノロール100mg単回投与。AUC0-∞ 10,478→8,415 ng·h/mL(約20%低下)、Cmax 543→413 ng/mL(約24%低下)。遺伝子型で差あり)。同じ研究グループの高用量試験(ケルセチン1,500mg/日)でもタリノロールのCmax・AUC低下が報告され、OATPを介した吸収阻害が主因と考察されている(Nguyen MA et al. J Pharm Sci 2015のタリノロール先行研究への言及を含む総説的整理による)。
- 最終確認日
- 2026-11-01
研究の条件
研究の条件: ケルセチン500mg/日×13日間、および1,500mg/日という高用量条件。
ふだんの量では
ふだんの量では: 食事からのケルセチン(1日10〜30mg程度)で同じ影響が出るとは考えにくい。