マンガン × 鉄サプリメント・鉄剤 注意(ヒトデータあり)
要約
マンガンと鉄は、腸からの吸収の通り道(DMT1という運び役)が共通していて、取り合うことがヒトで示されています。放射性同位体(目印を付けた成分)で鉄の吸収を測った試験では、マンガンを加えると鉄の吸収が下がりました。鉄の吸収が下がると、貧血の治療の効きが弱くなるおそれがあります。そのため、鉄欠乏の治療中はマンガンのサプリと鉄剤を同時に飲まず、公式の決まりはありませんが、安全のため約2時間あけるのが目安です。時間をずらすことで対処できる飲み合わせです。逆に、鉄が不足している状態ではマンガンの吸収が増えることも報告されており、鉄欠乏の人はマンガンの摂りすぎにも注意してください。
ヒトでのエビデンス
ヒトデータあり。放射性同位体を使った鉄吸収試験(ヒト)でマンガンによる競合的な吸収低下が示されている。
根拠
原著: Rossander-Hultén L, Brune M, Sandström B, Lönnerdal B, Hallberg L. Competitive inhibition of iron absorption by manganese and zinc in humans. Am J Clin Nutr 1991;54:152-156(PMID: 2058577)。二重同位体法で、マンガンが水溶液でもハンバーガーの食事でも鉄吸収を阻害。マンガン2.99mgを微量の鉄0.01mgに加えると、鉄の量を300倍に増やしたのと同程度に鉄吸収が下がった条件を含む。鉄の蓄え(フェリチン)が少ない人ほどマンガン吸収が増えることも別のヒト研究(Finleyらの研究群)で報告。間隔の数値は出典にないため目安として明記した。
- 最終確認日
- 2026-11-01
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
鉄3mg程度の水溶液や食事にマンガンを加えて鉄吸収を測った条件。鉄が微量(0.01mg)の条件では競合が特に目立った。
ふだんの量では
ふだんの鉄剤は鉄として数十mg規模で試験の鉄3mgより多く、競合の割合は小さくなる可能性があります。一方マンガンのサプリは1日1〜5mg程度で試験の量と大きくは離れていません。鉄欠乏の治療中は同時服用を避けるのが無難です。