エソメプラゾール × クロピドグレル(プラビックス等) 注意(ヒトデータあり)
要約
血液をサラサラにするクロピドグレルは、体の中で CYP2C19(薬を分解する酵素)を使って「効く形」に変わります。この薬がその酵素を邪魔して、効く形の量が減ることがヒト試験で示されています。ただし心筋梗塞などが実際に増えるかは研究で結論が分かれています。日本の添付文書の相互作用欄にはクロピドグレルは載っていませんが、自己判断でどちらも止めず、心臓の主治医と処方医に併用を伝えてください。胃を守る目的で併用されることも多い組み合わせです。
ヒトでのエビデンス
あり(薬物動態は明確、臨床転帰は両論)
根拠
薬物動態/薬力学:Frelinger AL 3rd et al. J Am Coll Cardiol. 2012;59:1304-1311. PMID:22464259:健康成人160例クロスオーバー、エソメプラゾール40mg併用でクロピドグレルの活性代謝物曝露と血小板抑制が低下(オメプラゾールと同程度、ランソプラゾール等より強い)。臨床転帰(両論):Bhatt DL et al. N Engl J Med. 2010;363:1909-1917. PMID:20925534(COGENT、オメプラゾール):心血管イベントに明らかな増加なし、消化管出血は減少。ただし早期終了の試験。一方 Hsu PI et al. Gastroenterology. 2011;140:717-725. PMID:21144850:エソメプラゾール併用で潰瘍再発は減り、血小板凝集への影響は認めず。観察研究では心血管リスク増を報告するものもあり結論未確定。PMDA添付文書10.2に記載なし
- 最終確認日
- 2026-10-30