エスシタロプラム × SAMe(S-アデノシルメチオニン、S-アデノシル-L-メチオニン) ヒトでの直接データなし・機序からの注意
要約
SAMeは気分に関わる物質の合成に関わる成分で、仕組みの上ではセロトニンの働きを強める可能性があります。セロトニン症候群の報告は、別の強い抗うつ薬(クロミプラミン)とSAMeの組み合わせの古い1例が中心で、この薬との直接の症例は見つかりませんでした。医師の管理下でSSRIにSAMeを追加した臨床試験もあり、その試験ではセロトニン症候群は出ていません。とはいえ自己判断で追加するものではなく、使う場合は処方医に伝えてください。躁転(気分が異常に高ぶること)の報告もあります。
ヒトでのエビデンス
なし(本剤直接なし。他剤での1例+管理下試験)
根拠
症例: Iruela LM et al. Am J Psychiatry. 1993;150:522: SAMe筋注+クロミプラミン増量後にセロトニン症候群とされる1例(エスシタロプラムではない、クロミプラミン増量が交絡)。管理下併用の試験: Papakostas GI et al. Am J Psychiatry. 2010;167:942-948. PMID:20595412: SRI無効例73例にSAMe追加の二重盲検試験でセロトニン症候群の報告なし。一方 Sarris J et al. Eur Neuropsychopharmacol. 2018;28:1126-1136: SAMe追加試験でセロトニン症候群様症状の1例が示唆されたとされる。総説: Sharma A et al. J Clin Psychiatry. 2017;78:e656-e667. PMID:28682528: SAMe関連のセロトニン症候群は上記クロミプラミン例のみで、SSRI/TCA増強試験では他に報告なしと整理。PMDA添付文書10.にSAMeの記載なし
- 最終確認日
- 2026-10-30