防風通聖散 × 利尿薬(ループ系・チアジド系) 一般的注意
要約
利尿薬(尿を出してむくみや血圧を下げる薬)のうち、ループ系・チアジド系のものは尿からカリウムを出す方向に働きます。防風通聖散に含まれるカンゾウ(甘草)も尿からカリウムを出す働きを強めるため、重なると偽アルドステロン症(血圧が上がり、むくみや手のこわばり、脱力が出る状態)や低カリウム血症(血液中のカリウムが減ること)によるミオパチー(筋肉の障害)が出やすくなる可能性があります。なお、この処方の添付文書の併用注意に利尿薬の名前は挙がっていません(挙がっているのは、甘草を含む他の漢方薬とグリチルリチン酸(甘草の成分)の製剤です)。これは併用している期間全体の問題で、服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。血圧や血液中のカリウムの確認をしながら使う組み合わせです。
漢方薬の属性(防風通聖散)
- 甘草(カンゾウ)
- 含む(2.0g/日)
- 構成生薬
- カッセキ 3.0g、オウゴン 2.0g、カンゾウ 2.0g、キキョウ 2.0g、セッコウ 2.0g、ビャクジュツ 2.0g、ダイオウ 1.5g、ケイガイ 1.2g、サンシシ 1.2g、シャクヤク 1.2g、センキュウ 1.2g、トウキ 1.2g、ハッカ 1.2g、ボウフウ 1.2g、マオウ 1.2g、レンギョウ 1.2g、無水ボウショウ 0.7g、ショウキョウ 0.3g
ヒトでのエビデンス
ヒトでの直接の相互作用試験データはない。甘草と利尿薬の作用の重なりからの類推
根拠
ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)現行添付文書(2023年12月改訂・第1版。PMDA掲載PDFで全文照合): 10.2併用注意に挙がるのは、マオウ含有製剤・エフェドリン類含有製剤・MAO阻害剤・甲状腺製剤・カテコールアミン製剤・キサンチン系製剤と、カンゾウ含有製剤(芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散等)・グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤のみで、利尿薬の記載はない。8.2でカンゾウ含有のため血清カリウム値・血圧値への留意が求められ、10.2の機序欄に『グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる』とある。ループ系・チアジド系利尿薬も尿中へのカリウム排泄を増やすため、作用が重なる方向の類推として一般的注意で提示する(利尿薬を併用注意に明記しているのは芍薬甘草湯など他の処方の添付文書)
- 最終確認日
- 2026-11-01