酵母 × 糖尿病薬 注意(ヒトデータあり)
要約
ビール酵母にはクロム(血糖の調節に関わるミネラル)が含まれ、2型糖尿病の方を対象にしたヒト試験で、血糖が下がる方向の結果が報告されています。78人の試験では、ビール酵母(クロムとして1日23.3μg)を使った時期に空腹時血糖が下がり、糖尿病薬の量が少し減らせた方もいました(グリベンクラミドでは薬の減量が統計学的にも確かめられました)。別の試験(84人、ビール酵母1日1,800mgを12週間)でも空腹時血糖とHbA1c(過去1〜2か月の血糖の平均の指標)が改善しました。血糖を下げる働きが糖尿病薬と重なると、低血糖(血糖が下がりすぎる状態)になるおそれがあります。糖尿病薬を使っている方がビール酵母を始めるときは、血糖の変化に注意し、自己判断で薬を減らさず処方医・薬剤師に相談してください。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。
ヒトでのエビデンス
あり(ヒト無作為化試験複数)
根拠
Bahijiri SM, Mira SA, Mufti AM, Ajabnoor MA. The effects of inorganic chromium and brewer's yeast supplementation on glucose tolerance, serum lipids and drug dosage in individuals with type 2 diabetes. Saudi Med J 2000;21(9):831-837(2型糖尿病78人、二重盲検クロスオーバー。ビール酵母由来クロム23.3μg/日で空腹時・負荷後血糖とフルクトサミンが低下し、薬の用量が減少、グリベンクラミドでは有意)。Hosseinzadeh P, Javanbakht MH, Mostafavi SA, et al. Brewer's yeast improves glycemic indices in type 2 diabetes mellitus. Int J Prev Med 2013;4(10):1131-1138. PMID: 24319552(2型糖尿病84人、ビール酵母300mg錠を1日6錠・12週間で空腹時血糖とHbA1cが改善)。Bahijiriらの論文のPMIDは本検証でも直接確認できなかったため省略する(誌名・年・巻・頁は原典で確認済み)。
- 最終確認日
- 2026-11-03
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
研究の条件: Bahijiriらの試験は2型糖尿病78人で、各段階8週間のクロスオーバーです。もう一つの試験は84人、12週間の二重盲検試験です。使われた酵母のクロム量は製品で異なります。
ふだんの量では
ふだんの量では: 市販のビール酵母製品は1日数百mg〜数gと幅があります。試験の1,800mg/日と重なる製品もあるため、糖尿病薬を使っている方は量にかかわらず始める前に相談してください。