L-チロシン × レボチロキシン(商品名: チラーヂンS)等の甲状腺ホルモン薬 一般的注意
要約
チロシンは甲状腺ホルモン(体の代謝を調節するホルモン)の材料です。南極で長期間過ごした人を対象にした試験では、チロシン12g/日を続けたところ、TSH(甲状腺を刺激するホルモン)が約28%下がり、冬の時期にはフリーT3が約6%上がりました。甲状腺ホルモン薬でホルモンを補っている人では、この方向の変化が重なって検査値が動くおそれが考えられます。ただし試験用量12g/日は市販製品の500mgの24倍であり、ふだんの量で同じ変化が起こるかは分かっていません。甲状腺ホルモン薬を使っている人が使う場合は、処方医・薬剤師に伝え、甲状腺の検査値の変化に注意してください。自己判断で甲状腺ホルモン薬の量を変えないでください。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。
ヒトでのエビデンス
あり(チロシン単独での甲状腺ホルモン指標の変化を示すヒト試験。併用試験はなし)
根拠
Palinkas LA et al. Int J Circumpolar Health. 2007;66(5):401-417. PMID: 18274206(南極滞在者での無作為化比較試験。チロシン12g/日でTSHが低下し、冬にはフリーT3が6%上昇)。甲状腺ホルモン薬との併用自体を調べた試験はないため一般的注意とした。
- 最終確認日
- 2026-11-03
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
研究の条件: チロシン12g/日を約3〜4.5か月続けた条件(Palinkas et al. 2007)。
ふだんの量では
ふだんの量では: 市販製品の一般量500mg/日は試験用量の24分の1であり、同程度の変化は期待も心配もできない量と考えられる。