このサイトは、薬の飲み合わせについて、添付文書や論文をもとに確かめた情報をお伝えするものです。あなたの体の状態や、ほかに飲んでいる薬のことまでは分かりません。自己判断で薬を中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談してください。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。

表示設定:配色 ライト / 文字 標準

ニンニク × サキナビル 注意(ヒトデータあり)

要約

ニンニクサプリメントは、HIVの薬サキナビルの血中濃度を大きく下げたことがヒト試験で確かめられています。健康な人10人での試験で、ニンニクのカプレットを1日2回・約3週間飲んだところ、サキナビルの総量(AUC)が51%、最高濃度が54%下がりました。濃度が下がると、ウイルスの量が抑えきれず治療が失敗するおそれがあります。さらに、ニンニクをやめて10日たっても濃度は元の60〜70%までしか戻りませんでした。サキナビルを単独のプロテアーゼ阻害薬として使っている方は、ニンニクサプリを併用しないでください。なお、欧州の公的評価ではニンニク製剤とサキナビル/リトナビルの併用は禁忌とされていますが、日本の添付文書(インビラーゼ)では禁忌ではなく「併用注意」としてニンニク成分含有製品が名指しされており、本剤投与時はニンニク成分含有製品を摂取しないよう注意することとされています(本シートでは禁忌バッジは付けていません)。時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。

ヒトでのエビデンス

あり(ヒト薬物動態試験)

根拠

Piscitelli SC, Burstein AH, Welden N, Gallicano KD, Falloon J. The effect of garlic supplements on the pharmacokinetics of saquinavir. Clin Infect Dis 2002;34(2):234-238. PMID: 11740713(健康志願者10人、ニンニクカプレット1日2回・41回投与、サキナビル1200mg×3回/日。AUC 51%低下、Cmax 54%低下、トラフ49%低下。10日間の休薬後も60〜70%までしか回復せず)。国内添付文書: インビラーゼカプセル200mg/錠500mg(サキナビルメシル酸塩)添付文書「相互作用・併用注意」に「ニンニク成分含有製品」が名指しされ、「本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時は、ニンニク成分含有製品を摂取しないよう注意すること」と記載。同じ数値(サキナビル1,200mg 1日3回とニンニクカプセル(ニンニク約8g相当)併用でAUC 51%・8時間後トラフ49%・Cmax 54%減少)も添付文書に収載されている(2026-11-03検証で確認)。用量情報: 試験のニンニクはカプレット製剤1日2回で、アリシン量などの詳細は製剤依存。食品のニンニクでの試験ではない。

最終確認日
2026-11-03

研究の条件

研究の条件: 健康志願者10人での試験です。HIV患者での試験ではありませんが、低下幅が大きく持続もするため、臨床的に重要と評価されています。

ふだんの量では

ふだんの量では: 料理に使うニンニクで同じことが起きるかは確かめられていません。問題になるのは濃縮したサプリメント(オイル、カプレット、エキス)を続けて摂る場合です。形態差: 熟成黒にんにく(熟成ニンニクエキス)はアリシンがほとんど含まれず成分組成が通常のニンニク製剤と異なるため、この試験結果をそのまま当てはめることはできません。ただし、黒にんにくでサキナビルとの安全が確かめられたわけでもありません。

この記録は一般的な情報です。自己判断で薬を中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談してください。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多くあります。

ニンニク の飲み合わせ一覧へ