カンナビジオール × バルプロ酸 一般的注意
要約
てんかんの薬バルプロ酸と一緒に使うと、肝臓の検査値(トランスアミナーゼ、肝臓の細胞が傷ついたときに上がる数値)が上がることが多くなると、臨床試験で示されています。米国の添付文書では、検査値の上昇が起きた場合は、この薬かバルプロ酸の中止や量の調整を検討することとされています。なお、血液中の濃度同士の影響については、臨床的に意味のある変化は見られていません。注意すべき点は濃度ではなく肝臓への負担の重なりです。日本では未承認の薬のため、この内容は海外の添付文書に基づきます。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。 自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(対照試験で併用時に肝酵素上昇の発現率が上昇。薬物動態については臨床的に意味のある変化なし)
根拠
米国添付文書(EPIDIOLEX(cannabidiol)oral solution、Jazz Pharmaceuticals, Inc.、DailyMed掲載版、Revised: 07/2025)§7.3に、本剤とバルプロ酸の併用で肝酵素上昇の発現率が上がり、上昇が起きた場合は本剤・バルプロ酸の中止または減量を検討すること、と記載。§5.1にも併用がトランスアミナーゼ上昇の危険因子であることが、対照試験での発現率(例: バルプロ酸併用群でALTが基準の3倍超となった割合が高いこと)とともに記載。§12.3では、健康成人でバルプロ酸の全身曝露への影響はなく、患者試験でのバルプロ酸Cmax約17%・AUC約21%の低下も臨床的に意味がないとされ、本剤側の濃度変化も臨床的に意味のある変化ではなかったとされている。主たる注意が薬物動態ではなく肝障害の重なりであり、日本の添付文書の記載ではないため「一般的注意」とした。
- 最終確認日
- 2026-11-03