カンナビジオール × セントジョーンズワート ヒトでの直接データなし・機序からの注意
要約
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ。ハーブのサプリメント)自体とこの薬の組み合わせを調べたヒトデータはありません。ただし、この薬は主にCYP3A4とCYP2C19という酵素(薬を分解する仕組み)で分解され、セントジョーンズワートはこの酵素の働きを強める(誘導する)ことが知られています。同じく酵素の働きを強める薬リファンピシンとの試験では、この薬の濃度が約32%、効き目の中心の一つである代謝物(体内で薬が変化してできた物質)の濃度が約63%下がりました。セントジョーンズワートでも同じように濃度が下がり、てんかん発作を抑える働きが弱くなるおそれがあります。サプリメントを使う場合は処方医・薬剤師に伝えてください。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。 自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
なし(セントジョーンズワート自体の直接データはない。同じ誘導作用を持つリファンピシンではヒトデータあり: 本剤の濃度約32%低下、代謝物約63%低下)
根拠
米国添付文書(EPIDIOLEX(cannabidiol)oral solution、Jazz Pharmaceuticals, Inc.、DailyMed掲載版、Revised: 07/2025)§12.3に、本剤は主にCYP2C19とCYP3A4で代謝されること、§7.1に強いCYP3A4・CYP2C19誘導薬(リファンピシン600mg/日)でカンナビジオール濃度が約32%、7-OH-CBD濃度が約63%低下し、誘導薬併用時は本剤を最大2倍までの増量を検討すること、と記載。セントジョーンズワート自体の名指し・直接データは添文にないが、本剤の主要な消失経路(CYP3A4・CYP2C19)の誘導であるため、基準に基づき「ヒトでの直接データなし・機序からの注意」とした。
- 最終確認日
- 2026-11-02
研究の条件
リファンピシン600mgを1日1回併用したヒト試験(米国添付文書§7.1・§12.3): カンナビジオールAUC約32%低下・Cmax約34%低下、7-OH-CBDはAUC約63%低下・Cmax約67%低下。セントジョーンズワートでの試験条件はなし(未実施)。