ポネシモド × β遮断薬 注意(ヒトデータあり)
要約
β遮断薬(脈をゆっくりにする、血圧や心臓の薬)は、この薬と一緒に使うと、脈がゆっくりになる作用が重なります。ヒトでの試験では、β遮断薬のプロプラノロールと一緒に使ったとき、この薬だけのときと比べて、服用後の心拍数の下がり方が、初回量2mgでは平均12.4回/分、維持量20mgの初回では平均7.4回/分大きくなりました。測ったのは心拍数の下がり方で、重い徐脈(脈が遅くなりすぎること)が必ず起きるという意味ではありませんが、飲み始めには脈の状態を確認しながら使う必要があることを示しています。そのため米国の添付文書では、この薬を始める際に注意し、場合によってはβ遮断薬を一時的にやめることが必要になることがあるとされています。逆に、この薬の量が安定している人では、β遮断薬を始めることはできるとされています。日本では未承認の薬のため、この内容は海外の添付文書に基づきます。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(プロプラノロールとの併用試験で、心拍数低下の作用が重なることが示された。数値は試験条件に記載した)
根拠
米国添付文書(PONVORY、Vanda Pharmaceuticals, Inc.、DailyMed掲載版:2025年12月4日更新・バージョン4、およびPONVORY、Janssen Pharmaceuticals, Inc.、DailyMed掲載版:2025年4月25日更新・バージョン13)§7.3に、心拍数を下げる作用が重なるためβ遮断薬治療中の患者にポネシモドを開始する際は注意し、開始前にβ遮断薬の一時的な中断が必要になることがあること、ポネシモドが安定量に達している患者ではβ遮断薬を開始できること、と記載されている。§12.2および§12.3にプロプラノロールとの薬力学試験(心拍数への作用を調べた試験)の結果が示されている。ヒトデータで心拍数低下の重なりが示されているため「注意(ヒトデータあり)」とした。日本の添付文書で確認したものではない。
- 最終確認日
- 2026-11-03
研究の条件
プロプラノロール80mgを1日1回くり返し飲んで安定した状態の被験者に、ポネシモドの用量を少しずつ上げる方法を併用した薬物相互作用試験(米国添付文書§12.3)。ポネシモド単独と比べて、初回量2mgとの併用では平均の1時間ごとの心拍数の低下が12.4回/分(90%信頼区間:-15.6〜-9.1)大きく、初回維持量20mgとの併用では7.4回/分(90%信頼区間:-10.9〜-3.9)大きかった。ポネシモドとプロプラノロールの薬物動態(血液中の動き)に大きな変化はなかった。