ポネシモド × 強いCYP3A4・UGT1A1誘導薬(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン等) 一般的注意
要約
リファンピシン(結核などの薬)、フェニトインやカルバマゼピン(てんかんなどの薬)のような、CYP3A4とUGT1A1(どちらも薬を分解・処理する酵素の名前です)の働きを強く促す(誘導する)薬と一緒に使うと、この薬の血液中の量が減ることがあります。ヤンセン版の米国の添付文書では、この組み合わせは推奨されないとされています。一方、バンダ版の米国の添付文書にはカルバマゼピンとの併用試験が示され、カルバマゼピンと一緒に使うとこの薬の最高血中濃度(Cmax、血液中の濃度の一番高い値)が20%、血液中の総量の指標(AUC)が26%下がりましたが、臨床的に意味のある変化ではないと判断されています。測ったのは血液中の濃度であって効き目そのものではないため、効き目が弱くなるおそれがあるかどうかは、米国の添付文書の版によって見解が分かれています。併用する場合は処方医・薬剤師に伝えてください。日本では未承認の薬のため、この内容は海外の添付文書に基づきます。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(限定的。バンダ版の米国添付文書§12.3にカルバマゼピン併用試験の数値がある。ただしヤンセン版§7.5では併用は推奨されないとされ、その低下の臨床的な意味は不明と明記されている)
根拠
米国添付文書の版により記載が異なる。Janssen Pharmaceuticals, Inc.版(DailyMed掲載版:2025年4月25日更新・バージョン13)§7.5に、試験管内(in vitro)の評価と限られた臨床データから、強いCYP3A4・UGT1A1誘導薬(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン等)との併用でポネシモドの体への入り方が減ることがあり、その低下が臨床的に意味があるかは不明で、併用は推奨されないと記載されている。一方、Vanda Pharmaceuticals, Inc.版(DailyMed掲載版:2025年12月4日更新・バージョン4)には§7.5自体がなく、§12.3にカルバマゼピン併用試験の数値(最高血中濃度20%低下、血液中の総量の指標26%低下、臨床的に意味のある変化ではないと判断)が記載されている。この食い違いは判断メモに裁定候補として残した。日本の添付文書の記載ではないため「一般的注意」とした。
- 最終確認日
- 2026-11-03
研究の条件
カルバマゼピン300mgを1日2回くり返し飲んで安定した状態で併用した試験(バンダ版の米国添付文書§12.3)では、ポネシモドの最高血中濃度(Cmax)が20%、血液中の総量の指標(AUC)が26%下がり、臨床的に意味のある変化ではないと判断されている。ヤンセン版§7.5の根拠は試験管内(in vitro)評価と限られた臨床データで、低下の臨床的な意味は不明とされている。