フェニル酪酸グリセロール × CYP3Aの基質となる薬剤(シクロスポリン、キニジン、ミダゾラム等) 注意(添付文書)
要約
CYP3Aの基質となる薬(CYP3Aは薬を分解する酵素の一つで、基質となる薬はその酵素で分解される薬のことです)と一緒に使うと、この薬がCYP3Aの働きを強める(誘導する)ため、相手の薬の分解が進んで血中濃度(血液の中の薬の量)が下がり、作用が弱まるおそれがあります。例として、免疫を抑えるシクロスポリン、不整脈(脈の乱れ)の薬キニジン、眠気をもたらす薬ミダゾラムが挙げられています。添付文書に載る試験では、この薬と一緒に使ったときにミダゾラムの最高濃度が0.74倍、血液中の量全体の指標が0.68倍であり、濃度が下がると相手の薬の効き目が弱まるおそれがあります。一緒に使う場合は、相手の薬の効き目に注意しながら使う組み合わせです。 自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
ヒトでのデータあり(ミダゾラムでの試験)
根拠
ラヴィクティ内用液1.1g/mL添付文書(2026年4月改訂・第2版、オーファンパシフィック)§10冒頭に「本剤はCYP3Aに対する誘導作用を有する」と記載され、§10.2にCYP3Aの基質となる薬剤(シクロスポリン、キニジン、ミダゾラム等)が名指しされている。臨床症状・措置方法は「これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある」、機序・危険因子は「本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する」とされている(薬剤名等の欄に[16.7.1参照]の指定あり)。§16.7.1(1)ミダゾラムには、健康成人24例に本剤4.4gを1日3回経口投与し、ミダゾラム(CYP3A基質)3mgを単回経口併用投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUClastの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.74及び0.68であったと記載されている。シクロスポリン・キニジンについては§16に個別の併用試験数値はない。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
§16.7.1 健康成人24例、本剤4.4gを1日3回経口投与時にミダゾラム(CYP3A基質)3mgを単回経口併用投与。ミダゾラム単独投与時に対する併用時のCmax比0.74、AUClast比0.68(いずれも最小二乗幾何平均値の比)