ニチシノン × OAT1及びOAT3の基質となる薬剤(フロセミド、メトトレキサート、バリシチニブ等) 注意(添付文書)
要約
OAT1及びOAT3の基質となる薬(OATは腎臓で薬を血液から尿へ運び出す通り道の役割をするタンパク質で、基質となる薬はその通り道で運ばれる薬のことです)と一緒に使うと、この薬がOAT1とOAT3の働きを妨げる(阻害する)ため、相手の薬が尿へ出ていきにくくなって血漿中濃度(血液の中の薬の量)が上がり、作用が強まるおそれがあります。例として、尿の量を増やすフロセミド、関節リウマチやがん等に使うメトトレキサート、関節リウマチ等に使うバリシチニブが挙げられています。添付文書に載る試験では、フロセミドの血液中の量全体の指標(AUC)が1.72倍になっており、濃度が上がると相手の薬の効き目や副作用が強まるおそれがあります。一緒に使う場合は、相手の薬の作用に注意しながら使う組み合わせです。 自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
ヒトでのデータあり(外国人データ、フロセミドでの試験。メトトレキサート・バリシチニブ自体の併用試験数値はない)
根拠
オーファディンカプセル2mg・5mg・10mg添付文書(2025年6月改訂・第3版、アステラス製薬)§10.2にOAT1/OAT3の基質となる薬剤(フロセミド、メトトレキサート、バリシチニブ等)が名指しされている。臨床症状・措置方法は「これらの薬剤の作用を増強するおそれがある」、機序・危険因子は「本剤のOAT1/OAT3阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する」とされている(薬剤名等の欄に[16.7.1参照]の指定あり)。§16.7.1には、フロセミド(OAT1/OAT3基質)20mg単回投与と本剤80mg/日15日間投与の併用で、フロセミドのAUC及びCmaxの幾何平均比(併用投与/単独投与)がそれぞれ1.72及び1.12であったことが示されている(外国人データ、18例)。メトトレキサート・バリシチニブ自体との併用試験の数値は§16.7.1にない。インタビューフォーム(2025年6月改訂・第7版)の解説では、メトトレキサートとバリシチニブは代表的な薬剤名として追記されたとされている。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
§16.7.1 外国人データ18例、本剤80mg/日を15日間投与時にフロセミド(OAT1/OAT3基質)20mgを単回併用投与。フロセミド単独投与時に対する併用時の幾何平均比はAUC 1.72(90%信頼区間1.63~1.81)、Cmax 1.12(1.08~1.15)