ニチシノン × CYP2C9の基質となる薬剤(ワルファリン、フェニトイン等) 注意(添付文書)
要約
CYP2C9の基質となる薬(CYP2C9は薬を分解する酵素の一つで、基質となる薬はその酵素で分解される薬のことです)と一緒に使うと、この薬がCYP2C9の働きを妨げる(阻害する)ため、相手の薬の分解が遅れて血漿中濃度(血液の中の薬の量)が上がり、作用が強まるおそれがあります。例として、血液を固まりにくくするワルファリン、てんかんの薬フェニトインが挙げられています。添付文書に載る試験では、CYP2C9で分解されるトルブタミド(日本では販売が中止された、血糖を下げる薬)の血液中の量全体の指標(AUC)が2.31倍になっており、濃度が上がると相手の薬の効き目や副作用が強まるおそれがあります。一緒に使う場合は、相手の薬の作用に注意しながら使う組み合わせです。 自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
ヒトでのデータあり(外国人データ。ただし試験で使われたCYP2C9基質はトルブタミドで、ワルファリン・フェニトイン自体の併用試験数値はない)
根拠
オーファディンカプセル2mg・5mg・10mg添付文書(2025年6月改訂・第3版、アステラス製薬)§10冒頭に「本剤はCYP2C9、有機アニオントランスポーター1及び3(OAT1及び3)を阻害する」と記載され、§10.2にCYP2C9の基質となる薬剤(ワルファリン、フェニトイン等)が名指しされている。臨床症状・措置方法は「これらの薬剤の作用を増強するおそれがある」、機序・危険因子は「本剤のCYP2C9阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する」とされている(薬剤名等の欄に[16.7.1参照]の指定あり)。§16.7.1には、トルブタミド(CYP2C9基質)500mg単回投与と本剤80mg/日16日間投与の併用で、トルブタミドのAUC及びCmaxの幾何平均比(併用投与/単独投与)がそれぞれ2.31及び1.16であったことが示されている(外国人データ、18例)。ワルファリン・フェニトイン自体との併用試験の数値は§16.7.1にない。インタビューフォーム(2025年6月改訂・第7版)の解説では、トルブタミドは日本で販売が中止されているため、代表的な薬剤名としてワルファリンとフェニトインが記載されたとされている。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
§16.7.1 外国人データ18例、本剤80mg/日を16日間投与時にトルブタミド(CYP2C9基質)500mgを単回併用投与。トルブタミド単独投与時に対する併用時の幾何平均比はAUC 2.31(90%信頼区間2.11~2.53)、Cmax 1.16(1.11~1.21)