プラジカンテル × セントジョーンズワート ヒトでの直接データなし・機序からの注意
要約
プラジカンテルは、主に代謝酵素CYP3A4(薬を分解する仕組みの一つ)によって分解される薬です。セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)にはCYP3A4の働きを強める作用があるため、一緒に摂るとプラジカンテルの血液中の量が下がり、効き目が弱まるおそれがあります。実際、同じようにCYP3A4の働きを強める薬であるリファンピシンと一緒に使うと、プラジカンテルの血液中の量が約100%下がったことが報告されており、リファンピシンとの併用は禁止されています。ただし、セントジョーンズワート自体と一緒に使って調べたヒトでの試験は添付文書にはなく、これは仕組みから考えられる注意です。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
なし
根拠
ビルトリシド錠600mgのインタビューフォーム(PMDA掲載、2025年8月改訂・第23版)に転載された添付文書を全文確認した。§10冒頭と薬物動態の項に、本剤は主にチトクロームP450 3A4(CYP3A4)によって代謝されると記載されており、CYP3A4は本剤の主要な消失経路である。§10.1(併用禁忌)はリファンピシンの1行のみ、§10.2(併用注意)はデキサメタゾン・フェニトイン・カルバマゼピン、エファビレンツ、ヒドロキシクロロキン硫酸塩、シメチジン・リトナビル、イトラコナゾールの5行であり、セントジョーンズワートの記載はない。薬物動態の項(インタビューフォームⅦ)では「食事・併用薬の影響」は該当資料なしとされ、セントジョーンズワート自体と一緒に使って調べたヒトでのデータの記載もない。ただし、セントジョーンズワートはCYP3A4の働きを強める(誘導する)ため、本剤の主要な消失経路に関わる機序からの注意として扱う。なお、同じCYP3A4誘導薬のリファンピシンは§10.1で併用禁忌とされ、併用により本剤の血中濃度が約100%低下することが報告されている。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
添付文書の記載確認