スマトリプタン(皮下注) × MAO阻害薬(モノアミン酸化酵素阻害薬) 禁忌
要約
MAO阻害薬という種類の薬(うつ病やパーキンソン病などに使う薬)を使っている間と、使うのをやめてから2週間以内の人は、この薬を使うことが禁じられています。実際に人を対象にした試験では、MAO阻害薬の一種を飲んだ後にこの注射薬を使うと、血液中のスマトリプタンの総量(AUC)が約1.8倍に増え、体から消える速さが遅くなりました。薬の濃度が上がると、効き目だけでなく副作用も強まるおそれがあります。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり。MAO-A阻害剤の反復投与後にスマトリプタン注射液を単回皮下投与したヒトデータで、AUC0-∞が1.8倍に増加、クリアランスが44%に低下、半減期が1.4倍延長した。
根拠
イミグランキット皮下注3mg(グラクソ・スミスクライン)の添付文書の内容を収録した医薬品インタビューフォーム(2026年5月改訂・第16版、2026年2月改訂の添付文書に基づく)で、§2、§7、§10(相互作用)の記載を全文照合した。スマトリプタンは主としてモノアミン酸化酵素(MAO)-Aで代謝される。用量は通常、成人には1回3mgを皮下投与し、1日6mgを超えないこととされている。 §10.1(併用禁忌)にMAO阻害剤が挙げられ、『本剤は主としてモノアミン酸化酵素(MAO)-Aで代謝される、MAO阻害剤投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には投与しないこと、MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され本剤の作用が増強される可能性がある』とされている。インタビューフォームの解説では、健康成人女性42名にMAO-A阻害剤を反復経口投与した後、スマトリプタン注射液を単回皮下投与すると、スマトリプタンのAUC0-∞が1.8倍に増加し、クリアランスが44%に低下し、半減期が1.4倍延長したことが示されている。§2でも同内容が禁忌として挙げられている。
- 最終確認日
- 2026-11-02
研究の条件
健康成人女性42名。MAO-A阻害剤を反復経口投与した後、スマトリプタン注射液を単回皮下投与した試験(インタビューフォーム解説)。