ブロナンセリン経皮吸収製剤 × CYP3A4阻害作用を有する薬剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、シクロスポリン、ジルチアゼム等) 注意(添付文書)
要約
この薬を分解する酵素CYP3A4の働きを止める薬と一緒に使うと、血中濃度(血液中の薬の量)が上がり、作用が強まるおそれがあります。対象の例として、抗菌薬のエリスロマイシンやクラリスロマイシン、免疫を抑える薬のシクロスポリン、血圧の薬のジルチアゼムなどが挙げられています。経口剤(飲み薬のブロナンセリン)での試験では、エリスロマイシン併用で最高濃度が約2.4倍、濃度の指標(AUC)が約2.5倍になりました。貼り薬では影響は飲み薬より小さいと考えられていますが、使い始めや併用の変化の際は、眠気やふらつきなど体の変化に注意しましょう。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(ブロナンセリン経口剤とエリスロマイシンの併用試験が添付文書§16.7.1に記載されている。貼付剤自体の併用試験ではない)
根拠
ロナセンテープ20mg・30mg・40mg(製造販売元: 住友ファーマ株式会社)の添付文書、2024年10月改訂・第9版を確認した。用法は通常、成人にブロナンセリンとして40mgを1日1回貼付し、最大80mgまで。本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4(薬を分解する酵素の一つ)で代謝される(§10冒頭・§16.4.3)。§10.1(併用禁忌)はアドレナリン(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域の麻酔に使用する場合を除く)と、CYP3A4を強く阻害する薬剤群。§10.2(併用注意)はアドレナリン含有歯科麻酔剤、中枢神経抑制剤・アルコール、ドパミン作動薬、降圧薬、CYP3A4阻害作用を有する薬剤、CYP3A4誘導作用を有する薬剤。§16.7に、本剤は貼付のため初回通過効果(飲み薬が肝臓で最初に分解されること)を受けず、CYP3A4阻害剤・誘導剤併用時の薬物動態への影響は経口剤より小さいと考えられるとある。 §10.2(併用注意)に「CYP3A4阻害作用を有する薬剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、シクロスポリン、ジルチアゼム等)」が名指しされ、「本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量あるいは低用量から開始するなど慎重に使用すること」とある。§16.7.1に、経口剤でのデータとして、健康成人12例にブロナンセリン2mgを朝食後単回経口投与しエリスロマイシン1200mg/日(分4)反復投与と併用したとき、Cmaxが0.26から0.63ng/mL、AUClastが1.94から4.93ng・h/mLに上昇したとある(経口剤のデータであり、貼付剤では §16.7 のとおり影響は小さいと考えられている)。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
健康成人12例にブロナンセリン経口剤2mgを朝食後単回投与し、エリスロマイシン1200mg/日(分4)を反復投与して併用(添付文書§16.7.1)