ブロナンセリン経皮吸収製剤 × グレープフルーツ類 ヒトでの直接データなし・機序からの注意
要約
グレープフルーツ類に含まれる成分は、この薬を分解する酵素CYP3A4の働きを止めるため、理論上は血中濃度(血液中の薬の量)が上がり、作用が強まる可能性があります。ただし、この薬は皮膚から吸収され、飲み薬のような初回通過(腸や肝臓で最初に分解されること)を受けないため、影響は飲み薬より小さいと考えられると添付文書に書かれています。グレープフルーツジュースを大量に飲む習慣がある場合は、処方医・薬剤師に伝えましょう。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
なし(グレープフルーツとの直接のヒト併用データはない。主要代謝酵素CYP3A4の阻害という機序からの注意)
根拠
ロナセンテープ20mg・30mg・40mg(製造販売元: 住友ファーマ株式会社)の添付文書、2024年10月改訂・第9版を確認した。用法は通常、成人にブロナンセリンとして40mgを1日1回貼付し、最大80mgまで。本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4(薬を分解する酵素の一つ)で代謝される(§10冒頭・§16.4.3)。§10.1(併用禁忌)はアドレナリン(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域の麻酔に使用する場合を除く)と、CYP3A4を強く阻害する薬剤群。§10.2(併用注意)はアドレナリン含有歯科麻酔剤、中枢神経抑制剤・アルコール、ドパミン作動薬、降圧薬、CYP3A4阻害作用を有する薬剤、CYP3A4誘導作用を有する薬剤。§16.7に、本剤は貼付のため初回通過効果(飲み薬が肝臓で最初に分解されること)を受けず、CYP3A4阻害剤・誘導剤併用時の薬物動態への影響は経口剤より小さいと考えられるとある。 グレープフルーツ類自体は§10に名指しされていない。本剤の主要な代謝酵素はCYP3A4であり(§16.4.3)、グレープフルーツはCYP3A4を阻害することから、機序バッジの基準(その機序が成分の主要な消失経路に関わる場合のみ)に当たる。一方で§16.7のとおり、貼付剤ではCYP3A4阻害剤併用時の影響は経口剤より小さいと考えられている点も併せて示す。グレープフルーツとの直接のヒト併用データは確認できていない。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認