フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合剤 × セントジョーンズワート 注意(ヒトデータあり)
要約
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウという植物由来のサプリメント)は、薬を体の外へ運び出すたんぱく質(P糖蛋白と呼ばれる運び屋)の働きを、使い続けるうちに強めることが知られています。フェキソフェナジンはこの運び屋で運ばれる薬で、健康な大人での小規模な試験では、セントジョーンズワートを続けて使った後にフェキソフェナジンの血中濃度が下がる方向の変化が報告されています。濃度が下がると、アレルギー症状への効き目が弱くなるおそれがあります。試験の結果にはばらつきもあるため、使っている場合は処方医・薬剤師に伝えましょう。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(健康成人での小規模試験で、セントジョーンズワート反復投与後にフェキソフェナジンの濃度が下がる方向の変化が報告されている。単回投与では逆の変化で、結果にはばらつきがある)
根拠
ディレグラ配合錠(製造販売元: LTLファーマ株式会社)の添付文書、2026年9月改訂・第3版をPMDA電子添文の原文で確認した。用法は1回2錠(フェキソフェナジン塩酸塩60mg/塩酸プソイドエフェドリン120mg)を1日2回、朝及び夕の空腹時に経口投与する。§10.2(併用注意)には〈フェキソフェナジン塩酸塩〉としてエリスロマイシン、水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤、〈塩酸プソイドエフェドリン〉として交感神経系に対し抑制的に作用する降圧剤(メチルドパ、レセルピン等)、交感神経刺激薬、選択的MAO-B阻害剤(セレギリン)が挙げられている。 §10.2にセントジョーンズワートの名指しはない。ヒトデータは添付文書外の原著研究による: Wangらの健康成人での試験(Clin Pharmacol Ther. 2002;71:414-420)で、セントジョーンズワート単回投与ではフェキソフェナジンの最高濃度が上がる方向、反復投与では逆転して濃度が下がる方向の変化が報告され、P糖蛋白の誘導が機序と考えられている。2024年の系統的レビューでも、単回でクリアランス約10%低下、長期投与で約17%上昇と整理されている。結果にばらつきがある点も含めて示す。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
健康成人にセントジョーンズワートを単回及び反復投与し、フェキソフェナジン単回投与時の血中濃度を比較(Wangら、2002年)