トコフェロールニコチン酸エステル × ワルファリン(抗凝固薬、商品名: ワーファリン) 注意(ヒトデータあり)
要約
ワルファリン(血液が固まるのを抑える薬)と一緒に使うときは、出血しやすくなる可能性に注意が必要です。この薬の成分であるビタミンE(トコフェロール)について、ヒトの研究で、血液中のビタミンEが多い人ほど抗凝固薬使用中の出血が多かったという報告や、ビタミンEを1日1000IU(国際単位)と多くとった試験で、ビタミンKの働きを示す指標が悪化したという報告があります。つまり、ビタミンEが多い状態では血液が固まりにくい方向に傾き、出血のリスクが上がるおそれがあります。ただし、これらはビタミンEそのもののサプリメント等でのデータで、この薬(トコフェロールニコチン酸エステル)自体を調べた試験ではありません。ワルファリン使用中は、自己判断で量を変えず、血液検査(INRなど)の結果を処方医と確認してください。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(ビタミンE(α-トコフェロール)についてのヒトデータ。本剤そのものの併用試験ではない)
根拠
ユベラNカプセル100mg/ユベラNソフトカプセル200mg/ユベラN細粒40%(エーザイ)の添付文書、2023年7月改訂・第1版(添付文書番号2190006M1156_1_02)をPMDA電子添文の情報で確認した。添付文書に§10(相互作用)の設定はなく、併用禁忌・併用注意の名指し行はない。用法はトコフェロールニコチン酸エステルとして通常成人1日300~600mgを3回に分けて経口投与。薬効薬理には血小板(血液を固める成分)の粘着・凝集を抑える作用が示されている。ビタミンE側のヒトデータ:Pastori D et al. J Am Heart Assoc. 2013;2:e000364(PMID: 24166490、経口抗凝固療法中の患者での後ろ向きコホートで血清ビタミンE高値と出血リスクの関連)、Booth SL et al. Am J Clin Nutr. 2004(RRR-α-トコフェロール1000IU/日・12週間の無作為化試験でPIVKA-IIが上昇しビタミンK状態の悪化が示唆された)。いずれも本剤そのものの試験ではないことを明記する。
- 最終確認日
- 2026-11-02
研究の条件
ビタミンE1000IU/日を12週間摂取した試験(Booth 2004)。抗凝固療法中の出血との関連は血清ビタミンE濃度で評価したコホート研究(Pastori 2013)
ふだんの量では
食事からとる通常量のビタミンEで問題が示されたデータはない。懸念は主にサプリメント等での多量摂取(報告では1日数百IU以上)で、本剤の通常量はトコフェロールニコチン酸エステルとして1日300~600mg