ラゼルチニブ × 強いCYP3A阻害薬(イトラコナゾール等) 注意(ヒトデータあり)
要約
強いCYP3A阻害薬(代謝酵素CYP3A4の働きを止める薬。例: イトラコナゾール(水虫や真菌(カビ)の薬))と一緒に使うと、この薬の血中濃度が上がります。ヒトでの試験では、イトラコナゾールと一緒に使うと最高血中濃度(Cmax)が約1.2倍、AUC(血中濃度の指標)が約1.5倍に上がりました。濃度が上がると副作用が強くなるおそれがありますが、海外の添付文書では、この程度の上昇では用量の変更は不要とされています。併用中は発疹や下痢、爪の変化等の副作用が強く出ていないかに注意し、気になる症状があれば処方医・薬剤師に伝えましょう。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(健康成人でイトラコナゾール併用時にCmax約1.2倍、AUC約1.5倍上昇が示されている)
根拠
ラズクルーズ錠80mg・240mg(ヤンセンファーマ)の国内添付文書の原文(PDF)には本調査では直接到達できなかった。そのため、国内の患者向医薬品ガイド(2026年3月作成、ヤンセンファーマ。添付文書に基づいて作成されたもの)で、国内の用法(アミバンタマブ(遺伝子組換え)との併用でラゼルチニブとして1日1回240mg)と、「グレープフルーツ、セイヨウオトギリソウを含有する食品はこの薬の効果に影響しますので、控えてください」との記載を確認し、相互作用の分類・数値は欧州製品情報(EU SmPC)および米国添付文書(FDA)の記載で照合した。国内添付文書§10の正確な文言と版数は、登録前に原典で再確認が必要である(notes参照)。本剤の代謝は主にグルタチオン抱合(解毒の仕組みの一つ)で、代謝酵素CYP3A4も関わると海外添付文書に記載されている。 イトラコナゾール(200mg)併用下でラゼルチニブ160mg単回投与時のCmax幾何平均比1.19、AUC幾何平均比1.46というヒトデータが海外添付文書に示され、用量調整は不要とされている。国内§10に強いCYP3A阻害薬の名指しがあるかは未確認のため、バッジはヒトデータありとした。
- 最終確認日
- 2026-11-02
研究の条件
健康成人、ラゼルチニブ160mg単回投与とイトラコナゾール200mg反復投与の併用(海外試験)