ラゼルチニブ × ロスバスタチン(脂質異常症治療薬、商品名: クレストール等) 注意(ヒトデータあり)
要約
ロスバスタチン(コレステロールを下げる薬)は、薬を運ぶたんぱく質BCRP(薬を細胞の外へ出すポンプ)で運ばれます。この薬はBCRPの働きを止めるため、ロスバスタチンの血中濃度が上がります。ヒトでの試験では、この薬と一緒に使うとロスバスタチンの最高血中濃度(Cmax)が2.24倍、AUC(血中濃度の指標)が2.02倍に上がりました。濃度が上がると、筋肉痛や筋肉の障害等のスタチン(コレステロールの薬)の副作用が出やすくなるおそれがあります。筋肉の痛みや脱力感があれば処方医・薬剤師に伝えましょう。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(健康成人20例でロスバスタチン併用時にCmax 2.24倍、AUC 2.02倍上昇が示されている)
根拠
ラズクルーズ錠80mg・240mg(ヤンセンファーマ)の国内添付文書の原文(PDF)には本調査では直接到達できなかった。そのため、国内の患者向医薬品ガイド(2026年3月作成、ヤンセンファーマ。添付文書に基づいて作成されたもの)で、国内の用法(アミバンタマブ(遺伝子組換え)との併用でラゼルチニブとして1日1回240mg)と、「グレープフルーツ、セイヨウオトギリソウを含有する食品はこの薬の効果に影響しますので、控えてください」との記載を確認し、相互作用の分類・数値は欧州製品情報(EU SmPC)および米国添付文書(FDA)の記載で照合した。国内添付文書§10の正確な文言と版数は、登録前に原典で再確認が必要である(notes参照)。本剤の代謝は主にグルタチオン抱合(解毒の仕組みの一つ)で、代謝酵素CYP3A4も関わると海外添付文書に記載されている。 ロスバスタチン併用時のCmax 2.24倍・AUC 2.02倍はヒトデータ(健康成人20例、ラゼルチニブ160mg反復投与下で単回投与のロスバスタチンを評価した海外試験)。欧州製品情報・米国添付文書では、BCRP基質薬、とくに治療域の狭いものは注意して使用する旨が記載されている。国内§10の文言は未確認のため、バッジはヒトデータありとした。
- 最終確認日
- 2026-11-02
研究の条件
健康成人20例、ラゼルチニブ160mg反復投与下でのロスバスタチン単回投与(海外試験)