グラニセトロン(経口剤) × グレープフルーツ類 ヒトでの直接データなし・機序からの注意
要約
グレープフルーツ類と一緒に摂った場合を直接調べたヒトの試験はありません。ただ、この薬は主に肝臓で代謝酵素CYP3A(薬を分解する酵素の一つ)も関わって分解されると試験管内の試験で報告されており、グレープフルーツはこの酵素の働きを止めるため、薬の血中濃度(血液中の薬の量)が上がり、効き目や副作用が強くなるおそれがあります。時間をずらしてもグレープフルーツの影響は残るため、治療中はグレープフルーツ類を控えるのが安全側です。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
なし(グレープフルーツとの直接のヒトデータなし。in vitroで代謝へのCYP3A関与が報告されている段階)
根拠
カイトリル錠1mg・2mg/細粒0.4%(太陽ファルマ)の添付文書、2023年4月改訂・第3版を原文(PDF)で確認した。§10.1(併用禁忌)の設定はなく、§10.2(併用注意)はセロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、MAO阻害剤等)の1行のみ。用法は通常、成人にグラニセトロンとして1回2mgを1日1回経口投与し、抗悪性腫瘍剤(がんの薬)の投与や放射線照射の1時間前に飲む(§7)。§16.4.2では、主な代謝は芳香環7位の水酸化とN-脱メチル化で、ヒト肝ミクロゾームを用いた試験管内(in vitro)試験で代謝酵素P450(CYP3A)の関与が報告されているとされ、主な排泄経路は腎臓(§16.5)とされている。 グレープフルーツ自体とのヒト相互作用試験は確認できなかった。本剤の消失は肝代謝が中心で、その代謝にCYP3Aの関与がin vitroで報告されているため、機序バッジの基準(その機序が成分の主要な消失経路に関わる場合のみ)に当たると判断した。ただし関与の程度はin vitro段階の知見であり、ヒトでの影響の大きさは不明であることを明示する。
- 最終確認日
- 2026-11-02