レテルモビル × CYP3Aの基質となる薬(フェンタニル、キニジン、ミダゾラム等) 注意(添付文書)
要約
フェンタニル(痛み止め)、キニジン(脈の乱れの薬)、ミダゾラム(眠らせる薬)など、分解酵素CYP3Aで分解される薬は、レテルモビルがCYP3Aを止めるため血中濃度が上がるおそれがあると添付文書に書かれています。実際にミダゾラムでは、飲み薬の場合に血中濃度の指標(AUC)が2.25倍になったことが試験で示されており、相手の薬の効き目や副作用が強まるおそれがあります。一緒に使う場合は相手の薬の様子をよく観察し、用量の調節が行われることがあります。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。 自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(健康成人での相互作用試験でミダゾラム経口のAUC 2.25倍が添付文書§16.7.2に示されている)
根拠
プレバイミス錠240mg/顆粒分包20mg・120mg(MSD)の添付文書、2025年10月改訂・第6版をPMDA電子添文の原文で確認した。成人の用法はレテルモビルとして1日1回480mg(シクロスポリン併用時は240mg)。本剤はOATP1B1/3(肝臓へ薬を取り込む運び屋)、P-gp、UGT1A1/3の基質で、CYP3A(薬を分解する酵素の一つ)を時間依存的に止め、BCRP・OATP1B1/3を止め、CYP2C9・CYP2C19を増やす(誘導する)可能性があると§10冒頭に書かれている。 §10.2で「CYP3Aの基質(フェンタニル、キニジン、ミダゾラム等)」が名指しされ、血漿中濃度が上昇するおそれがあるとされている。§16.7.2表6ではミダゾラム2mg経口単回とレテルモビル240mg 1日1回併用でミダゾラムのAUC幾何平均比2.25(90%信頼区間2.04-2.48)が示されている。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
研究の条件: 健康成人16例、ミダゾラム2mg経口単回投与とレテルモビル240mg 1日1回併用の比較(添付文書表6)。