テナパノル塩酸塩 × エナラプリルマレイン酸塩(ACE阻害薬、商品名: レニベース) 注意(添付文書)
要約
エナラプリル(血圧の薬レニベースなど)とは、効き目が弱くなる方向の飲み合わせです。テナパノルが腸のOATP2B1(薬を腸から血液へ運ぶタンパク質)の働きを止めるため、エナラプリルが血液に入る量が減ります。試験では、エナラプリルの最高血中濃度(Cmax)が約0.31倍、血中濃度の指標(AUC)が約0.39倍、その活性代謝物(体内で効く形)でもCmax約0.32倍、AUC約0.50倍まで下がりました。つまり、エナラプリルの効き目が弱くなるおそれがあります。日本の添付文書にも注意して併用する旨が書かれていることが、PMDA(医薬品の審査機関)の審査報告書で確認されています。血圧の変化に注意し、気になる場合は処方医・薬剤師に相談してください。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせかどうかは、添付文書原文で確認できていません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(健康成人での併用試験で、エナラプリルとその活性代謝物の血中濃度が大きく下がった。外国人データ)
根拠
フォゼベル錠(協和キリン)の日本の添付文書の原文には本調査で到達できなかった(改訂年月・版数は未確認。推測で書かない)。到達できた根拠は次の2点。(1) PMDAの審査報告書(令和5年8月8日付け審査報告書の英訳版)§6.Rに「エナラプリルは注意して併用すべきであり、添付文書に注意喚起の記載がなされたことをPMDAが確認した」旨が明記されている。(2) 米国添付文書(XPHOZAH、2025年版)§7.1に、テナパノルが腸のOATP2B1(薬を腸から取り込む運び屋タンパク質)を阻害し、エナラプリルの吸収を下げる旨と試験数値が示されている。審査報告書§6.2.7の試験(TEN-02-108)でも、テナパノル30mg1日2回併用でエナラプリルのCmax幾何平均比0.31、AUC比0.39、エナラプリラトのCmax比0.32、AUC比0.50が示されている。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
非日本人健康成人25例。テナパノル30mgを1日2回反復投与し、エナラプリル20mg単回投与時と比較(試験TEN-02-108)