コデインリン酸塩水和物 × CYP2D6阻害薬(キニジン、パロキセチン等) ヒトでの直接データなし・機序からの注意
要約
コデインは、体の中で代謝酵素CYP2D6によってモルヒネに変わることで鎮痛作用を発揮します(添付文書では投与量の5〜15%がモルヒネに変換されるとされています)。CYP2D6を止める薬(キニジンやパロキセチンなど)と一緒だと、この変換が進まず、痛み止めの効き目が弱くなるおそれがあります。逆に、生まれつきCYP2D6の働きが非常に強い人(超速代謝者)ではモルヒネが増えすぎて呼吸が弱くなる危険があり、添付文書でも注意されています。痛みの効きが悪いと感じたら、自己判断で増やさず処方医・薬剤師に伝えましょう。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
なし(阻害薬との併用を直接調べたヒト試験の数値は添付文書に示されていない。活性化経路の機序に基づく)
根拠
コデインリン酸塩散1%「フソー」(扶桑薬品工業)の添付文書、2020年2月改訂・第1版の原文(PDF)を確認した。用法は通常成人1回2g、1日6gを経口投与する(製剤により用法の細部が異なるため、用量の細部は製剤ごとの原文で確認すること)。§10冒頭に「本剤は主として肝代謝酵素UGT2B4、UGT2B7及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される」とあり、投与されたコデインの5〜15%がCYP2D6でモルヒネに変換されて鎮痛作用を示す(§18)。§10.1(併用禁忌)の設定はなく、§10.2は中枢神経抑制剤/クマリン系抗凝血剤/抗コリン作動性薬剤/ナルメフェン塩酸塩水和物の行からなる。§10.2にCYP2D6阻害薬の名指し行はない。CYP2D6が活性代謝(モルヒネ生成)の主要な経路であることは§10冒頭・§18に明記されており、機序バッジの基準(主要な消失・活性化経路に関わる場合)を満たすと判断した。§9.6・§15.1にはCYP2D6超速代謝者で母乳中モルヒネ濃度や副作用リスクが上がる旨の記載がある。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認