ニンテダニブ × P-糖蛋白阻害剤 注意(添付文書)
要約
P-糖蛋白阻害剤(薬を細胞の外へ排出する運び屋たんぱくP-gpの働きを止める薬のグループ)と一緒に使うと、本剤の血液中の量が上がり、下痢や肝臓への負担などの副作用が強まるおそれがあります。実際にケトコナゾールとの併用では、本剤の量(AUC)が約1.6倍、最高濃度が約1.8倍に上がりました(濃度が上がると副作用が強まるおそれがあります)。併用中は体の変化に注意し、異常があれば処方医・薬剤師に伝えましょう。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
あり(ケトコナゾールとの相互作用試験が添付文書§16.7.1に記載)
根拠
オフェブカプセル100mg・150mg(日本ベーリンガーインゲルハイム)の添付文書、2026年5月改訂・第8版をメーカー公表の現行添付文書原文で確認した。用法は通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与。§10冒頭に「本剤はP-糖蛋白(P-gp、薬を細胞の外へ排出する運び屋たんぱく)の基質である」とあり、§10.2(併用注意)はP-糖蛋白阻害剤とP-糖蛋白誘導剤の2行。本剤の主な代謝はエステラーゼ(酵素の一種)による加水分解である(§16.4)。§10.2にP-糖蛋白阻害剤(エリスロマイシン、シクロスポリン等)が名指しされ、「P-糖蛋白阻害剤との併用時は観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与の中断、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。ケトコナゾールとの併用によりニンテダニブのAUCが約1.6倍、Cmaxが約1.8倍に上昇した」と記載されている。§16.7.1では健康成人31例でケトコナゾール400mg反復投与下の本剤50mg単回投与によりAUC0-∞が60.5%、Cmaxが79.6%上昇した(外国人データ)。
- 最終確認日
- 2026-11-02
- 確認方法
- AIによる検証のうえ薬剤師が一括承認
研究の条件
健康成人31例、ケトコナゾール400mgを1日1回3日間反復投与し、本剤50mgを単回併用投与(外国人データ)