ピルトブルチニブ × 抗凝固薬 一般的注意
要約
本剤の重大な副作用として出血があり(消化管出血など)、添付文書では手術や侵襲的手技の際に本剤の投与中断を考えることとされています。ワルファリン(商品名: ワーファリン)などの抗凝固薬と一緒に使うと出血のリスクが重なる可能性が類推されます(類推であることを明記します。添付文書で抗凝固薬が名指しされているわけではありません)。なお、ワルファリンの濃度自体は本剤と一緒でもほぼ変わらなかったというデータがありますが、これは濃度の話で、出血のリスクとは別の話です。あざができやすい等の変化があれば早めに処方医・薬剤師に伝えましょう。服用時間をずらすことで対処できる飲み合わせではありません。自己判断で中止・変更せず、気になったら処方医・薬剤師に相談を。処方には、添付文書には書かれていない、その人の状態に合わせた理由があることも多いです。
ヒトでのエビデンス
なし(併用の直接データなし。出血という作用の重なりからの類推)
根拠
ジャイパーカ錠50mg・100mg(日本イーライリリー)の添付文書(2025年12月改訂・第4版)に基づく。§10.1(併用禁忌)の設定はなく、§10.2(併用注意)は強い又は中程度のCYP3A誘導剤、CYP2C8の基質となる薬剤、P-gpの基質となる薬剤、BCRPの基質となる薬剤、CYP2C19の基質となる薬剤、CYP3Aの基質となる薬剤(経口剤)の6行のみ。用法は1回200mgを1日1回で、食事との関係の指定はない。§10.2に抗凝固剤・抗血小板剤の名指しはない。§8.1に出血があらわれることがあり手術・侵襲的手技時は術前術後の3〜5日程度は本剤の投与中断を考慮すること、§11.1.2に重大な副作用として出血(消化管出血0.7%、頭蓋内出血(頻度不明))が挙げられている。§16.7.6のカクテル試験でS-ワルファリンのAUC比1.11と、本剤がワルファリンの濃度を大きく変えないデータはある。作用の重なりからの類推である。
- 最終確認日
- 2026-11-02